今回は、学習心理学について復習した際に思いついた、作業の効率について書きます。
ポモドーロテクニックとは
作業への集中と休憩を時間できちんと決めることで効率化を図る方法です。ライフハックの一種ですね。やり方としては、30分を1つの作業時間枠として、最初の25分間、単一の作業に集中します。残りの5分は休憩時間です。次の25分間はまた別の単一作業に没頭します。あれもこれもやりたくて同時並行に作業していると、結局作業のスイッチのコストが増してしまいがちです。このテクニックを使えば、作業のスイッチを減らせるので、その分効率があがるわけです。
こちらのブログにも紹介があります。
juncollin.hatenablog.comjuncollin.hatenablog.com
学習心理学に出てくる強化スケジュールについて
次は学習心理学について紹介します。学習心理学では、報酬による行動の強化という考え方があります。何かしらの望ましい行動を偶然行った時にすかさず報酬を与えると、その行動が次に起きやすくなるという考えです。1回の行動ごとに1回報酬を与えても良いのですが、ある程度行動が強化されたところで、何回かに1回のみ報酬を与えるようにするとさらに行動を強化できるとされています。では、どんなタイミングで報酬を与えると良いのでしょうか。学習心理学の教科書では、4つの方法が「強化スケジュール」という用語で紹介されています。ポイントは2点で、報酬のタイミングを行動の頻度に基づいて計算するか時間に基づいて計算するかという点と、報酬のタイミングが予測できるか否かという点です。
予測可能 | 予測不可能 | |
頻度に基づく | 固定比率スケジュール | 変動比率スケジュール |
時間に基づく | 固定間隔スケジュール | 変動間隔スケジュール |
これらの強化スケジュールは、強化の程度やパターンがそれぞれ異なります。特徴として、固定スケジュールにすると、報酬を与えた直後の行動がそれほど高まりません。「次の報酬がすぐには得られないこと」も学習してしまうからだと思います。一方、変動スケジュールでは、報酬直後でも同じようなペースで行動が見られます。また、比率(頻度)に基づく強化の方が、時間に基づく強化よりも行動が強化されやすいことも知られています。
ポモドーロテクニックを変えてみよう
ポモドーロテクニックは時間に基づく学習で、どれくらいの時間作業するかはあらかじめ知られています。つまり、上記の強化スケジュールのうち固定間隔スケジュールの一種と考えられます。作業の内容はいつでも単純なわけではないので、過度な一般化には注意が必要です。しかし、効率を高める可能性として、時間の予測のできないポモドーロテクニックというのも考えられます。これによって、作業時間の中での作業効率のムラが減少して、さらに効率が高まるかもしれません。