jnobuyukiのブログ

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chatGPTを利用して契約書の内容を確認する

久しぶりの投稿です。今回は、chatGPTを使って契約書の内容を確認する方法についてメモがわりに書きたいと思います。

契約書の内容確認

労働契約や著作物の使用許諾など日々、さまざまな契約書を目にします。接する頻度は高いのですが、その書き方にはいつまでも慣れません。法的な解釈などを意識した書き方になっていることは理解できるのですが、法律に関する勉強をしっかりした人でないと契約書をすらすら読むなんてことはできないと思います。

最近、自分の著作に関して、ある機関と共同で利用できるような契約を取り交わす機会がありました。先方に契約書の原案を作ってもらい、読んでみたのですが、どうにも理解が難しいです。そこでchatGPTに契約書を読んでもらった上で、その内容を一般の人にもわかるように言い換えてもらいました。

chatGPTでのプロンプトは以下の通りです。

「あなたは知的財産権を専門とする弁護士です。以下の契約書の内容を法律の知識がない人向けに解説してください。
著作物利用許諾契約書 (契約書の内容については割愛します)」

ポイントはchatGPTの役割を弁護士とし、読む人には法律の知識がない人と限定したことです。このようにchatGPTと私の役割を限定するプロンプトを加えるとよりわかりやすい答えを得られると期待しました。その結果、書かれている内容を日常の言葉で理解できました。それで気づいたのですが、契約書の内容がどうも先方に有利に書かれている気がします。そこで、以下のようなプロンプトで理解を掘り下げてみることにしました。

「乙(私)の立場から見てどの点が不利と考えられますか」
その結果、気になった通り、著作権の使用許諾について、先方に有利で私としては承服したくないような解釈が可能であることがわかりました。
また、逆の立場から見るとどうなるのかも気になったので、以下のようなプロンプトも試しました。

「甲(先方)の立場から見て不利な点はありますか」
その結果、相手にも多少のリスクがあることがわかりました。

このような理解を踏まえて、先方に有利な表現になっていることを指摘し、付帯事項の追記を求めたところ、双方にとって満足のいく契約書の作成を行えました。