jnobuyukiのブログ

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RStudio バージョン1.0でインタラクティブな解析

今回は、R言語を便利に操作するためのアプリケーションRStudioについてです。いよいよバージョン1.0になったRStudioにできた新機能を試してみます。

Rmarkdownファイルを利用した解析(旧バージョン)

RStudioの便利機能の一つにRmarkdownファイルによる解析があります。R言語のデフォルトGUIでは、解析の手順や説明などのテキスト、解析スクリプトとその出力結果、グラフがすべて「別のファイル」として保存されます。あとで結果を見ながらレポートや論文を執筆する際に、スクリプトとその結果をどうにか関連づける必要があります。Rmarkdownファイルを使うとこれをすべて「1つのファイル」で管理し、すべてを1つの HTML、PDFファイルに出力できます。

旧バージョンの問題点

上で書いたようにとても便利な機能を持つRStudioですが、旧バージョンには1つ問題がありました。それは少しでもRmarkdownファイルに変更を加えたらファイル全体を再計算しなければならないことです。小さい解析であれば、再計算の手間はそれほどかからないので、毎回 PDFファイルを作れば良いでしょう。しかし、1回のファイル生成に何分もかかるような大きな解析ファイルでは、1行変更を加えるたびに変更を加えていない箇所まで再計算すると無駄な時間がどんどん増えてしまいます。これを防ぐには、Rの解析コードの結果をチャンク単位で出力できればいいわけです。そのような表示機能は既にjupyterやbeaker notebookなどが実装しています。なので、少し規模の大きな解析になると、そちらのアプリケーションを使わざるを得ませんでした。

RStudioでもインタラクティブな解析が可能になりました

アップデートされたRStudioでは、いよいよインタラクティブな出力表示ができるようになりました。やり方は非常に簡単で、チャンクの右上にある緑の三角ボタンを押すだけ(ショートカットはshift+command+return)です。ボタンを押すと出力結果がチャンクのすぐあとに表示されます。これで、ファイル全体の再計算なしで、必要な箇所のみの改変が簡便に行えます。

Rを使うためのアプリケーション: jupyter vs. RStudio vs. Beaker notebook

Rを便利に使うためのアプリケーションとしてjupyterとRStudioとBeaker notebookが台頭し、アプリケーション間の差がどんどん縮まってきているように感じます。今の所、最終的な結果を PDFファイルとして欲しければRStudio一択だと考えていますが、それも近い将来jupyterやBeaker notebookでエラーのない実装ができるかもしれません。ユーザーとしては便利な機能をしっかり使いこなせるように練習が必要ですね。