今回は、子育て世代研究者あるあるのような話題で、それについて思うことを書きます。
学会における保育サービス
学会や研究会において、子連れでの参加を促すために保育サービスが提供されることがあります。子育て世代の研究者にとって、このサービスはその学会への参加を大いに助けてくれる貴重なものだと言えます。しかし、実際にサービスを利用できるかは、料金次第であるというのが本音です。
サービスの使用料金はいろいろ
まず、このようなサービスは学会・研究会参加者全員へのサービスではないので、受益者負担が生じるのはしかたないと思います。それにもかかわらず、日本教育心理学会第57回総会や第79回日本心理学会大会のように無料でサービスが提供されることもあります*1。
confit.atlas.jp
実際には、いくらか利用料がかかることがほとんどです。高くて利用できなかった例としては、1時間当たり1500円と言われたことがあります*2。
学会でサービスが提供されない場合
大きな学会では、保育サービスは当たり前になりつつあると思いますが、小さな研究会ではまだ少ないです。それでもどうしても参加したい研究会があります。では、どうするか?私の場合は、所属している企業・大学の福利厚生サービスの利用を考えます。実際に、提携している認証保育所へ一時間300円で預かってもらったこともあります。差額を企業の福利厚生サービスで負担してくれているわけです。1時間当たり300円なら半日預けても2000円もかからないので、負担可能な範囲かなと思います*3。
現状の問題とそれへの提案
学会が提供するサービスや会社の福利厚生サービスは、貴重なのですが、それが受けられないケースは結構あると思います。例えば、大学院生は福利厚生サービスを受けられないと思うので、学会が保育サービスを提供していないといきなり行き詰まります。あとは、福利厚生サービスを利用できたとしても、何をどうやって利用するかの手続きが煩雑な場合がほとんどです。学会発表、宿泊先の確保に加えて、保育サービスの手配とその助成手続きとなるので、手続きのための時間を確保できないことがあります。このような問題が生まれる背景として、大学や企業による保育サービスへの支援が、個人を対象としていることが挙げられます。
例えばこれを、保育サービスを提供しようとしている学会・研究会を対象にしたとします。すると、サービスを利用したいと考えている人たちをより確実にサポートできる気がします。では、どうすればこれを確立できるか?最近の学会では、使用費目を明らかにしたスポンサー企業があるようです。
http://www.anlp.jp/nlp2016/#sponsor
上記の懇親会・茶菓スポンサーと同様の扱いで「保育サービススポンサー」を募るのはどうでしょうか?スポンサー企業によっては、保育サービススポンサーになることの宣伝効果を期待できる場合がある気がします。もちろん文部科学省がこのような保育サービス支援助成金の制度を作ることもありだと思います。