データの感覚化 Data Sensitization
今回は、Data Visualizationに関連した話です。ただ、私自身もまだ整理しきれていない考えです。この投稿はメモ代わりと言ってもいいかもしれません。
Data Visualization
データビジュアリゼーション、つまりデータの視覚化です。表計算ソフトにずらっと並べられた数字から全体の傾向やデータに隠された物語を抽出するのは大変難しい。でも、データを上手に視覚化すると、データに隠された物語を直感的に見つけ出せるかもしれません。最近のいわゆるビッグデータ解析では、この概念が非常に大事にされているようです。洪水のようにあふれているデータを何とか視覚化することで、情報を解釈可能なものにして、何らかの意思決定に利用できることが期待されています。Data Visualizationと似たような言葉にInformation Graphicsというのもあります。Yuichi Yazakiさんの記事
触れる可視化-- データビジュアライゼーションとは何か(前編) - ZDNet Japan
によれば、両者の違いはデータとのインタラクションの有無のようです。
なぜ視覚化だけなの?
普段、実験データのグラフを山ほど作成している私にとって、データの視覚化はそれほど新しいものではありません。これまでData Visualizationという言葉をわざわざ使うこともありませんでした。(実験データのグラフ化は、上述の定義的な違いを考えれば、Data VisualizationではなくInformation Graphicsかもしれません)そしていざData Visualizationという言葉を頻繁に聞くようになると、一つの疑問が生まれました。
「なぜデータは視覚化でなければいけないの?」
人間の視覚情報処理の能力は大変優れているからというのが一番わかりやすい答えです。実際、実験データを視覚的にグラフにまとめるのもそのせいだと思います。でも他の感覚、たとえば聴覚とか皮膚感覚もデータの種類によってはデータの理解に役立ちそうな気がします。実際、ゲームのコントローラやスマートホンがぶるっと震えるのは、情報を皮膚感覚として伝えているからで、これはとてもうまくいっている気がします。なので「見える化・視覚化」だけにこだわるのはなぜなんだろうと思ってしまったわけです。
では何と呼べばいい?
可視化のように特定の感覚にこだわらず、データを感覚に訴える形式で表現するという概念に一般化できればいいのかなと考えています。これをあらわすいい言葉がまだ見つからないのですが、暫定案として「データの感覚化 Data sensitization」と呼んでみることにしました*1。
具体例は?
そう具体例があるといいかなと思います。たとえば実験的に本来視覚的に表現するものを音の高さで置き換えてみたらどうなるでしょうか。そんな試みをいろいろとする必要があります。もしもうまくいきそうなものが見つかったら、後日、このブログでご紹介しようと思います。
*1:もしすでに呼び方があることをご存知の方がおりましたらぜひご連絡ください