jnobuyukiのブログ

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統計学の用語のややこしさ(2)

前回に引き続き、今回も統計学の用語で「言い方が違うのに指している内容は同じ」ものを紹介します。

## 回帰分析の原因と結果に関する変数の名前
統計学で利用される分析方法の1つに回帰分析があります。回帰分析では、ある事柄の程度を示す数値を予測するために1つまたは複数の事柄の程度を表す数値を利用し、その予測の程度を検証します。言い換えれば1つもしくは複数の原因となる事柄で結果となる事柄の予測を行います。今回の話題と関連しないので、分析方法の詳細は書きませんが、どんな分野でもよく使われる分析方法の1つです。この「どんな分野でも使われる」というところが実はポイントで、使われる分野によって、以下のように原因と結果を表す変数の呼び名が異なります。

  • 原因となる変数の呼び方:独立変数、説明変数、予測変数
  • 結果となる変数の呼び方:従属変数、目的変数、応答変数

それぞれ指している内容は同じでも、言い回しが少し違います。本来のどの呼び方をすべきかという議論もあるのですが、ここで大事なのは、呼び名が違っても同じものとして扱えることです。前回同様、複数の本や論文を比較するとには注意したほうが良いでしょう。