jnobuyukiのブログ

JavaScriptとR言語を中心に研究活動に役立つwebアプリケーション技術について考えていきます。twitter ID: @j_nobuyuki

単語のつづりの記憶(2):なぜ英語の綴りの記憶が難しいのか?

英語の綴りを途中でいったん止めて、続きをつなげて書くよりも、最初から書きなおす方が簡単であるという話の続きです。今回は、特に英語の単語の綴りを覚える際に、綴りより運動の記憶に頼りがちであるかを考えてみましょう。

文字と音韻の対応関係の明瞭さ

英語のつづりが覚えにくいという事実は、文字と音韻の対応関係についてのルール(原則)を覚えても、例外的な単語が数多く存在することに由来する気がします。つまり、単語の意味を分かって、話せても、書けないもしくは書き損じることが英語ではしばしばおきます。これは、外国語として英語を扱う日本人でも、英語の母語話者でも同じことです。その証拠と言うと言いすぎかもしれませんが、スペリングコンテストというのがあるそうです。(こちらのページが参考になるかもしれません。http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20110621/1036488/
このようなコンテストがあること自体が、英単語の綴りの覚えにくさを物語っています。頭の中にある音韻が文字に変換されるルールを複雑にするくらいなら、指の動きを記憶して、文字と音韻の複雑な対応関係を省略してしまったほうが良いかもしれません。

文字と音韻の対応関係が明瞭な言語

この問題について、英語と対照的なのはスペイン語やイタリア語のような言語です。これらの言語では、文字と音韻の対応関係が明瞭なので「言えれば書ける」ということになります。そうするとどうやって綴りを覚えるかはそれほど問題とならないでしょう。それをふまえると、一度単語の途中でタイピングを辞めても、対応する音の個所からつなげて書ける気がします。つまり、特定の単語の綴りを運動の流れとして覚えるメリットはあまりないということです。*1

日本語はどうか?

さて、文字の音韻の対応関係の明瞭さという視点で考えると、日本語はとても面白い言語で、ひらがなやカタカナは文字と音韻がほぼ一対一の対応関係です。一方、漢字はほんとうにやっかいで、一文字の漢字が複数の読み方を持つ上に、同音異字語が多数存在します。つまり、文字と音韻の関係が非常に不明瞭です。ただし、タイピングの際は、かな入力もしくはローマ字入力を用いることが多い日本語は、音韻とタイプするキーの対応関係を明瞭なままにできるでしょう。よって上記のイタリア語、スペイン語に近い部類と言えます。同音異字語の中から選択するという機能は、全ての文字をタイプし終えてから活用されるので、入力段階では漢字が持つ文字と音韻の対応関係の不明瞭さの問題が上手く回避できています。

まとめ:英語の綴りの難しさ

文字と音韻の対応関係の明瞭さは、言語によって違います。今回見てきたように、英語はどうもその明瞭さが特に低い言語の1つと言えそうです。なので、文字の並びではなく、指の動きに頼ると言うアイデアは、単語のつづりの記憶に役立ちそうです。

*1:メリットはなくとも勝手に記憶してしまうことも考えられます。